疑問

自閉症の子どもが小学校へ入学するときの選択肢について。

4人の子どもたちが支援学級に入る選択をしてきたのでが、療育のママ友にもよくどうやって決めたのかを聞かれる機会があります。

私は、子どもたちの入学には1年くらい前から下準備をしていきます。
「まだ早いんじゃない?」と思われがちですが、自閉症の子どもがスムーズに入学できるかはできるだけ早い段階から動いた方がいいと思っています。

今回は、自閉症の子どもがスムーズに小学校生活を送るための選択肢について紹介しますね。

支援学級と特別支援学校

障害を持つ子が入学するときに一度は聞いたことのある『支援学級』と『特別支援学校』。同じような名前ですが、対応や先生の数など全く違います。

それぞれの違いを書いてみますね。

支援学級

支援学級は地域の小学校の中にあり、主に5種類の教室にわけられます。

  1. 知的障害
  2. 肢体不自由
  3. 自閉・情緒障害
  4. 難聴
  5. 弱視

このほかにも、『言語障害』や『病弱者及び身体虚弱』もある学校も。

就学予定の学校にはないこともあるので、入りたい学級がない場合は新設の申請を出す必要があります。

ありさ

もし入りたい支援学級がない場合は、市や町などに申請をして作ってもらう必要があります。
その場合は、すでにある学級に入るよりも早めに行動することをおすすめします。

1クラス8人までの学級で、少人数で教えてもらえるので個別の対応もしてもらえます。
今三男と四男が通っている情緒クラスは、生徒が6人で先生は3人。

その日の時間割や生徒の学年によって、交流級には一人で行くこともあります。

特別支援学校

特別支援学校は、幼稚園から高等部まであり、その子に合った勉強を教えてもらうことができます。
通っている子どもの多くは個別に支援が必要で、自立に向けていろいろなことを教えてもらえるのもポイントですね。

知的障害特別支援学級と自閉・情緒障害特別支援学級

ありさ

知的障害特別支援学級と自閉・情緒障害特別支援学級ってどう違うの?

これは、私が一番気になるギモンでした。

特別支援学級に入るほどでもないけど、通常学級では不安。
支援学級に入ろうと思ったけど、どのクラスがいいのかわからない…そんな人もいると思います。

知的障害特別支援学級自閉・情緒障害特別支援学級は、どこが違うのかをみていきましょう。

知的障害特別支援学級

名前のとおり、知的な遅れがある子どもが対象のクラスです。
一人一人に合わせた勉強で、教科書も通常学級とは違うものを使います。
個人の進み具合に合わせて、プリント学習をすることもありますね。

主に国語と算数を勉強しますが、勉強以外にも日常生活について教えてもらうことも。

ありさ

私の子どもが通っている学校では、お誕生会やクッキング・お買い物体験もさせてもらえます。

自閉・情緒障害特別支援学級

社会性や、コミュニケーション能力に障害がある子どもが対象のクラス。
少人数で対応してもらえるので、パニックが起きたときでも安心です。
友達や先生とのコミュニケーションの取り方も教えてもらえます。

教科書は通常学級と同じものを使用して、子どもによってはテストを受けることも。
もちろん、時間も計ってしますよ(*^^*)
授業を進めていき、高学年になってくると、理科や社会も学習します。

体育や音楽、図工など科目によっては交流学級で、大勢の中に入って授業を受けるようになります。
一人では不安でも、先生が交流学級へ一緒に行ってくれるので安心ですね。
慣れてきたら、一人で授業を受けることも。

高学年になると、口頭で説明されることも増えてきます。
低学年の間は通常学級でも、高学年になって支援学級に入る子もいます。

就学するときのクラス選びの基準になること

自閉症の子どものクラス選びは、一人では決めにくいものです。
どのクラスを選べばいいのか、基準になることを知っておくと選びやすくなりますよ。

クラスを選ぶ時の基準になることは4つ。

  • 発達検査の数値
  • 診断名
  • 療育手帳の有無
  • 幼稚園や保育園の先生の意見

それでは、一つずつ詳しくみていきましょう。

発達検査の数値

発達検査って聞いたことはありませんか?

聞いたことはあるけど、あんまりよく知らない…
そんな人もいると思います。実際、私がそうでした。

発達検査でわかることは3つ。

  • どれくらい理解しているか
  • 言葉や運動面はどうか
  • 社会性・コミュニケーション能力はどれくらいあるか

発達検査とは、これらの発達具合を見ることができる検査です。

主に新版K式発達検査とよばれる検査で、かかる時間は長くても1時間程度。
積み木やブロックを使ったものや、えんぴつでのお絵描き、会話しているときの態度や言葉も検査の一環です。
検査といっても難しいものではないので、安心してくださいね。

この検査では、DQ(発達指数)とDA(発達年齢)がわかります。
今どれくらいの能力があるのか、年齢にしたら何歳くらいなのかもわかるので、就学時の参考にできます。

自閉症の子どもは、発達がデコボコです。
得意・不得意がはっきりわかれるので、全領域は動作性・言語性などの平均的な数値になります。

苦手なことを知ることで、接するときの注意点も見えてきます。
話すよりも絵で見たほうが伝わりやすかったり、手先は不器用でもたくさんおしゃべりができたり…

就学に関わらず、発達検査は一緒に生活をするときに役に立つので気になる方は一度受けてみましょう。

ありさ

検査は、病院や子ども家庭センターなどで受けることができますよ。



発達検査をしても、診断名がつかないこともあります。
特に子どもが小さいときには、診断名をつけることが難しいので、「~の疑い」といわれることもあります。

診断名がないと支援学級に入れないわけではないので、焦って診断名を聞かなくても大丈夫ですよ(^_^*)
もちろん、診断名がついている場合は、クラス選びの参考にできますね。

診断名にこだわるよりも、子どもの特徴を見て決めることをおすすめします。
実際、長男は入学当初は軽度知的障害でしたが、自閉・情緒障害特別支援学級に入っています。(今は数値が伸びたので、軽度知的は外れました。)

診断名は、クラス選びの一つの参考にしましょう。

療育手帳の有無

療育手帳って聞いたことがありますか?
自治体によって呼び方が違うこともありますね。

この療育手帳のメリットは大きく分けて3つ。

  • さまざまなサービスを受けることができる
  • 特別支援学校への入学時に必要
  • 支援を受けやすくなる

特別支援学校への入学を考えている場合には、この療育手帳が必要になってきます。
詳しいサービスなどは自治体によって変わってくるので、気になった方は住んでいる地域の福祉にお問い合わせしましょう。

ありさ

支援学級に入るときには必要ではないですが、メリットがたくさんあるので一度検討してみるのもいいですね。

先生からの意見

通っている保育園や幼稚園の先生から、「この子は支援学級に入った方がいいかも…」と言われることがあります。
先生は、園での生活や様子をみて客観的に教えてくれるので、参考にしてみましょう。

小学校へ入学することは、これから勉強が始まるということです。
園のときよりも長時間座る必要があったり、言われたことをきちんと守らないといけませんね。

小学校生活をより過ごしやすいものにするためにも、先生の意見も参考にした方がいいと思います。

支援学級に入ったら通常学級に戻れない?

ありさ

支援学級に入ったら通常学級に戻れないのかな?

これも気になるギモンでした。

支援学級に入ったけど、大きくなるにつれて通常学級でも過ごせるようになってきた。
そんなときには、通常学級に戻ることができます

実際、低学年の間だけ支援学級にいて、高学年から通常学級に戻る子もいます。

でも、知的のクラスは教科書が違ったり、勉強の進み具合も個人に応じて全く違います。
なので、知的のクラスから通常学級に戻ることはむずかしいです。

自閉・情緒のクラスは、教科書は通常学級と同じものを使うので戻ることもできます。
勉強の進み具合も同じくらいなので、比較的戻りやすいと思います。

通常学級から支援学級に途中からでも入れる?

低学年は通常学級で頑張ってきたけど、だんだん勉強についていけなくなった。
こんな子もいると思います。
「低学年では気が付かなかったけど、実は自閉症だった」なんてことも。

高学年になってくると、勉強面はもちろん、友人関係も複雑になってきます。
自閉症の子とほかの子との差も出てくる時期にもなりますね。
先生の方から、支援学級をすすめられることもあります。

支援学級に入ることは、はずかしいことではありません。
一人ひとりに合った対応をしてもらえるので、学校生活が過ごしやすくなります。

ありさ

先入観や世間体だけで、支援学級を嫌わないでくださいね。

子どもたちのために今できることを

一つの節目になる小学校への入学。
自閉症の子どもをお持ちの方は、たくさん悩むと思います。
どれが正解かなんて、だれにもわからないことです。

どこのクラスに入っても、子どものために決めたことなら、だれにも非難されることはないと思います。
子どもが楽しく学校生活を送るために、今できることや今考えないといけないことを精一杯しましょう。

間違ったら、途中で修正することもできます。
一度しかない、小学校の入学を親子で楽しめるといいですね。

今回も読んでいただき、ありがとうございました♪