自閉症の子どもは、今していることを中断することが苦手です。
(切り替えが苦手ともいいますね。)
自分の気がすむまでしないと、怒ったり泣いたりしてしまうことも…
なぜか急いでいるときに限って、なかなか切り替えられずにパニックを起こしてしまうんですよね…
今回は、自閉症の子どもが動作を切り替えるときに気を付けていることを紹介します。
Contents
切り替えをスムーズにするためにすること
自閉症の子どもが切り替えを上手にするためには、ポイントがあります。
大きくなると慣れてくるので、だんだん切り替えも早くできるようになってきますよ。
終わってほしい5分前には告知をしよう
急に言っても終われないのが自閉症の特性です。
大人でも、今していることを急に「やめて!」と言われると、「ちょっと待って!」と答えてしまいますよね。
では、やめてほしい5分前に「もうすぐ終わりだよ~」と伝えるとどうでしょう?
それなりの心づもりができますね。
(うっかり伝え忘れてしまうこともありますが…)
今していることが楽しければ楽しいほど、やめにくいものです。
あらかじめ終わる時間を伝えることで、パニックを予防することができればいいですよね。
もし5分前に伝えても終われないときは、もう少し時間を延ばして10分くらい前に伝えてもいいと思います。
終わる時間を早く伝えすぎない。
あまり早く伝えすぎると時間ばかり気にしてしまう子どももいるので、その子に合った時間を探してみましょう。
終わる時間を時計やタイマーを使って知らせよう
「あと5分だけ遊べるよ~」と、言葉で伝えるだけで終わっていませんか?
時間は目には見えないものなので、自閉症の子どもには伝わりにくいことも。
5分って、大人でも集中しているとあっという間に終わってしまうくらいの時間です。
それが子どもなら、なおさらですね。
終わりの時間を伝えるときには、時計やタイマーを使うとわかりやすいのでおすすめです。
時計の数字が読めない子には、時計の数字ごとに違った動物の顔などを貼ってみましょう。
動物以外でも、興味のあるのもや好きなキャラクターでも。
時計に興味が出てくると、自分から時計を確認してくれるようになります。
時計よりもさらにわかりやすいのがキッチンタイマーです。
終わったら音が鳴るので、「音が鳴ったら終わりね~」と伝えておきましょう。
使う前には「今から動かすよ~」と伝えることもお忘れなく。
子どもにタイマーをさわらせない。
一度触ってしまうと、自分でしたがるようになったり、好きな時間まで延長してしまうことも。
おもちゃとの区別をつけるためにも、子どもにはさわらせないようにしましょう。
次の活動内容を伝える
自閉症の子どもは、今していることが終わったら次は何をするのか不安になります。
スケジュールがわからないとパニックを起こしてしまうのは、この見通しが立たないことへの不安が大きな原因です。
切り替えのときには、終わる時間と次に何をするのか・どこにいくのかなどを伝えましょう。
次のスケジュールがわかったら、スムーズに切り替えができるようになってきますよ。
おでかけのときは帰る時間も伝える
帰る時間がわかれば、帰ってから続きをすることもできるので納得しやすくなります。
小さいうちはなかなか理解することが難しいかもしれませんが、経験を積むとわかるようになってきますよ。
次の活動が楽しいことだったら、どんなに好きなことをしていても中断しやすくなりますね。
スムーズに切り替えをするために
- 終わる時間を伝えても、なかなか終わってくれない
- 次の行動をしないといけないのに、おもちゃが気になって動いてくれない
あるあるですよね。
そんなときは、ちょっとの工夫で切り替えがしやすくなります。
- 遊んだ後はお片付け
- おもちゃを使わないときは見えないようにする
- 1つ1つの動作を区切る
遊んだ後はお片付け
みなさん、遊んだ後のおもちゃは片づけていますか?
せっかく終わりの時間を伝えても、おもちゃが出ているとまた遊んでしまいます。
次の活動が終わった後に片付けようと思っても、なかなかできないものです。
次の活動に支障をきたさないためにも遊んだおもちゃは片付けるようにしましょう。
一人ではできないこともあるので、一緒に片付けてあげるといいですね。
おもちゃを使わないときは見えないようにする
たまたま入った部屋に、おもちゃが置いてあったらどうでしょう?
気になって遊んでしまいますね。
特に自閉症の子どもは、目についたものが気になってしまいます。
おもちゃ箱から少しはみ出したおもちゃや、ペンと紙など…
使ってほしくないものや興味を持ちそうなものは、見えないようにしましょう。
- 箱に入れる
- 布で隠す など
目に入らないとそこまで気にしないので、大事なものや触ってほしくないものも見えないようにしておくと安心です。
はさみなどの刃物は危険なので、手の届かないところにおくか鍵のかかるところに置くようにしましょう。
1つ1つの動作を区切る
だらだらと活動するよりも、メリハリをつけて活動するようにしましょう。
一つの動作が終わって次の動作に移るときに、切り替えがしやすくなりますよ。
ごはんの時間に、おもちゃで遊びながら食べたりはしませんよね?
2つの動作を同時に行うことは、とても難しいことです。
一つのことに集中するためにも、1つ1つの動作を区切るようにしましょう。
発達障害の子は、マルチタスクをこなすことが苦手です。
1つのことに集中できる環境を整えることで、スムーズに過ごせるようになりますよ。
切り替えは次の行動へのステップ
自閉症の子どもは切り替えが苦手だと言われます。
でも、伝え方や少しの工夫でスムーズに切り替えができるようになります。
誰でも苦手なことはありますよね?
自閉症の子どもは、苦手なことが少し多いだけ。
少し伝え方に気を付けるだけで、できるようになります。
スムーズな切り替えで次の動作にも楽しく移ることができると、毎日がより楽しいものになりますよ(*^_^*)