家でできる支援

自閉症の子どもの衣替えをスムーズにするために、私がしていること。

自閉症の子どもは、衣替えが苦手な子が多いです。
それは、いつもの日常を変えないといけないから。

気温によって着るものを変えるだけ。
簡単なことのように思えますが、自閉症の子どもにとって衣替えは一大イベントです。

今回は、自閉症の子どもが衣替えをスムーズにするために私が気を付けていることを紹介していきます。

学校の衣替え。移行期間はどうする?


学校では、衣替えの移行期間があります。

移行期間はだいたい一週間くらいあり、「移行期間中は長袖でも半袖でもいいですよ~」と言われますよね。

どちらでもいいと言われると、自閉症の子どもはどっちを着ればいいのかわからずに、怒ったり嫌がったりしてしまいます。
あいまいなことを受け入れにくいのは、自閉症の特徴ですね。

衣替えの移行期間中でも長袖か半袖かをはっきり決めてあげる。

うちでは、移行期間中に「この日から半袖ね~」と日にちを決めて、衣替えをするようにしています。

ありさ

日にちを伝えるだけでは不十分なので、カレンダーに書き込んで視覚支援をすると受け入れやすくなりますよ。

暑いから半袖を着よう。暑いって何度?


暑い・寒いは個人差があります。
25℃で暑い!と思う人もいれば、30℃でも平気な人もいます。
暑がりな人と寒がりな人とでは、体感温度も違いますよね。

気温によって服を変えることは、とても難しいことです。
温度計をこまめに見て確認しないと、自分ではわかりません。

家での衣替えは、学校のように日にちが決まっていませんよね。
タンスの中に長袖と半袖が入っていると、暑くても長袖を着ていることも。

自閉症の子どもには、いつから半袖を着るのか・いつになったら長袖を着るのかを教えていく必要があります。
部屋の温度を基準にしてみるのもいいですね。

気温を基準にするときは、朝と日中の温度差に注意する。

感覚過敏で半袖・半ズボンが苦手なときは?

自閉症の子どもの中には、感覚過敏を持つ子もいます。

  • 半袖や半ズボンの裾が当たるのが苦手で、長袖長ズボンを着たがる
  • 風が当たるのが嫌で、長袖長ズボンを着たがる
  • 手首を締め付けられるのが嫌で、半袖を着たがる

感覚過敏を持つ子は、半袖や半ズボンに徐々に慣れていくようにしましょう。

無理強いはしない。

無理に苦手なことを克服しようとしても、子どもも親も疲れるだけ。
今はエアコンで温度調整もできるので、強制することは避けましょう。

朝と日中の気温差があるときは、学校で着替えてもいいですね。

ありさ

学校の先生の協力が必要ですが、小さいうちにいろいろな感覚に慣れていくことも大切ですよ。

寒くなってきた!でも上着を嫌がってしまうときは?

自閉症の子どもは、上着を着ることを極端に嫌がる子もいます。(すごく寒がりな子もいますが。)

ありさ

今日は寒いから上着を着たほうがいいよ。

子ども

上着は着たくない。このままでいい。

こんな会話を冬の間、何回したことでしょう…

次男は、寒がりでも暑がりでもありませんが、上着を着ることをとても嫌がります。
次男が上着を嫌がる理由は3つ。

  • 上着を着るときゅうくつ
  • 上着を着ると動きにくい
  • 上着の必要性を感じない

この理由を聞いてから、上着に慣れるよう対策をしました。

上着を着るときゅうくつ

上着は、冬服の上から着ます。
上着を着ると、大人でも少しきゅうくつに感じますよね。
それが次男には耐え難いことみたいです。

上着のデザインによっては、細身のものもあります。
次男はお世辞にも細身とはいえない体形なので、少し大き目でないときゅうくつさを感じてしまうみたいでした。

では、大き目のサイズを着てみてはどうか。
手が出ない!と怒ってしまいました。

ありさ

服のサイズ選びの難しさを実感しました。

最終的には、次男が好きな素材のもので、ゆとりのあるデザインの上着を選ぶことで落ち着きました

上着を着ると動きにくい

上着を着ると、もこもこして動きにくい
これは大人でも感じるときがありますね。

上着を着ると動きにくいのはしょうがないことのように思えますが、どうしても納得できないみたいでした。

動きにくいことへの対処法は、厚すぎない上着を選ぶこと。
そして徐々に厚い上着にも慣れていくようにしていきます。

動くときには上着を脱ぐようにして、極力運動に支障が出ないようにもしました。
外に短時間だけ出るときには着ていませんが、以前よりも上着を着る回数は増えてきました。

上着の必要性を感じない

たぶん、これがもっとも大きな理由です。
上着の必要性を感じない。

次男は寒さと暑さにとても鈍感です。
冬でも基本的に靴下は履きません。
それくらい鈍感なので、上着の必要性を感じないみたいです。

でも、大きくなってくると上着を着ていないことを不思議に思われることもあります。
人と違うことをすると、周りの人は不思議に思ってしまいますよね。

たとえ「上着はいらない!」と思っても、雪が降ったら上着を着る息が白くなったら上着を着ると教えました。
最近は外に出て、確認をしてから上着を着るかどうかを決めるようにしています。

本人に確認したときに、今日は着たくないと言う日もあります。
できれば上着を着て欲しいですが、本人が苦痛に感じるなら無理に着せなくてもいいと思います。

ありさ

本人の意思を尊重することも大切です。

衣替えは経験を積むことでできるようになる

自閉症の子どもは、衣替えを嫌がることがあります。
でも、大きくなり衣替えの経験を積むことでスムーズにできるようになってきます。

嫌がるのを無理やりさせることはダメですが、衣替えの必要性を伝えながら徐々に慣れていくようにしましょう。